ネット古本屋で起業しよう!!

「古書アンジー」の森です。

今回は、これまでの「週末ネット古本屋」運営を振り返った原稿をお届けします。
※以下の記事は、「週末起業フォーラム」の会報「週末起業通信」に寄稿したものです。

■ネット古本屋で起業しよう

 はじめまして。森英信と申します。私は、週末起業として古書販売をしております。このたび、ネット古本屋プロデューサーの横手久光さんといっしょに、そのノウハウの一部を『Amazonマーケットプレイス徹底活用』(ソフトバンクパブリッシング刊)という本にまとめました。

 自分が著者として本を出せるとは思っていませんでしたが(僕の原稿はあまり採用されませんでしたが…)、たまたまラッキーなことに「みんなが知っているけど、本が出ていない」という本書の企画が採用され、出版することができました。今回のフォーラム通信では、私たちが書いた本のエッセンス+αとして本に載せられなかった私の体験談を紹介させていただきます。本を出版するにあたってお世話になった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

●ネット古本屋は週末起業にぴったり
 さて、古本屋というと、なんだか起業とはかけ離れている印象がありますが、実はネット古本屋は、とっても低コスト(お金・手間をかけない)で開業できる業種で、非常に週末起業向きだといえます。。おまけに、これといった専門性がなくても、工夫次第である程度の収入を得られます。また、多額の初期投資や特別な仕入ルートも必要なく、簡単に始められるというメリットもあります。

 「インターネットで古本なんか売れるの?」と思われる方がいらっしゃると思います。確かに、新品の本を扱う書店は町中にあふれていますし、最近では古本を扱う「ブックオフ」といったリサイクル書店も増えてきました。しかし、本、特に新刊よりも入手しにくい古本はインターネットでの人気商品なのです。

 フォーラム会員の皆様の中には、ネットオークションの猛者がいらっしゃると聞きます。私もネットオークションで古書などを販売していて、まあまあ売れています。でも、これからネット販売で週末起業を考えていらっしゃって、何をするべきか迷っていらっしゃる方にはまず、オークションサイトよりも出品手続きなどが手軽なAmazonマーケットプレイスでの古本の販売をおすすめします。気になる稼ぎですが、我々の本でも紹介していますが、サラリーマンの副業で、開業2ヶ月で10万円ほど、専業で月間100万円ほどの
売上を獲得している方もいます。コツをつかめば、月に5万円ほどの売上はそれほど難しくないと思います。

●仕入れは古本屋で
 手持ちの本を売ってみて、売る経験を積んだら、本を仕入れて売ってみたくなります。仕入れというと、ルート開拓がたいへんだという印象がありますが、古本の場合はわりとかんたんです。まずは、ブックオフなどのリサイクル書店の105円コーナーで買ってくればいいのです。

 古本屋で買って来て、売るという行為は、古物商の許可※を得る必要もありませんので、仕入れにおいても、気軽にできるといえます(※不特定多数の個人などから本を買い取ったりする場合は、盗品などの流通を防止するため、公安委員会から古物商の許可を受ける必要があります)。

 105円コーナーにある本は、必ずしもその価値の商品とはかぎりません。お店である期間売れなかった商品が105円コーナーに行く場合が多いと聞きますが、その中にはAmazonで高額で販売できるような商品もあるのです。105円で買ってきた本が、高値で販売できたときは、たとえそれがたった2000円ほどでも、なんともいえない感動があります。このへんが古本屋の醍醐味のひとつです。

 反面、105円の本が、80円でしか売れない場合もあります。Amazonで売れる本の相場を調べるには(拙著にも書きましたが)、携帯電話で出品情況を確認できるツールや、Amazonの顧客からの予約注文リストなどを使う方法があります。とはいえ、こういったツールはわりと上級者向けですので、はじめのうちはあまり気にせず、自分が読みたい本を買って、売れなくても読んで元を取るような取り組み方でもいいのではないかと思います。
 

●ネット古本屋の開業理由
 かんたんに販売手法を書きましたが、やはり、週末起業するなら「楽しみながら」なおかつ「実利を追求しながら」取り組みたいものです。
現在ネット古本屋を運営されている方や、これから開業したいという人たちに、ネット古本屋を始めた理由を聞いてみたところ、だいたい次の5種類の回答が得られました。

 ・本が好きだから
 ・好きな分野を扱えるから
 ・手軽に始めらる副業として
 ・仕掛けや戦略、かけひきを味わえるから
 ・将来独立するときの練習として

 本好きの人には、とにかく本に囲まれているだけで幸せという人もいるでしょう。そんな人がネット古本屋を始めれば、それまでに培った本に関する知識が収入に結びついてしまいます。その収入を新しい本の購入にあてれば、さらにたくさんの本を読むことができるでしょう(好きな本をどうしても手放したくない人は別ですが…)。

 好きな分野を扱えるという理由についてですが、その分野がいくら好きだといっても、メルマガを発行したり、セミナーや情報商材の販売をはじめたりするには、それなりのレベルに達していなければなりません。しかし、古本の販売であれば、自分が面白いと思う本を探すだけで、すぐに始めることができます。私の場合は、映画が好きなので、映画関連の商品を扱えるのが楽しいです。

 もちろん、お金が稼げるという理由で始める人もいます。しかし、これを一歩進め、ゲームの一種ととらえて楽しんでいる人たちもいます。
古本に定価はないので、値段は自分のカンと経験を頼りに「いくらなら売れるだろうか?」と予想しながら決めることになります。
 また、消費者を相手に「ものを売る」という経験を積むことは、将来自分で商売を始めたいような人にとっては、非常によい経験になるでしょう。うまくいけば、独立資金をためることもできるでしょう。


●ビジネスのステップアップ
 起業家なら、Amazonでの古本販売になれてきたところで、次のステップへ進みたくなると思います。古本販売ビジネスに限ったことではありませんが、私が実践したり、同業者の取材をする中で、次の3つの種類のビジネスのステップアップを知ることができました。

《1》分野を増やす
《2》売り場を増やす
《3》商品の種類を増やす

 まず、《1》ですが、これは単純に、取り扱い商品のジャンルを増やして、事業規模を大きくしていくことです。商品在庫を増やすと、ある程度の売り上げは見込めます。古本の商品在庫を増やす方法のひとつに、取り扱い商品の分野を増やすということが挙げられます。

 私の運営する「古書アンジー」の場合は、分野を増やすというよりも、好きな分野でやりたいと思っているので、《2》に当てはまるといえます。分野が限られると、必然的に顧客も限られますので、Amazonマーケットプレイスのほかに、Yahoo!オークションなど複数の売り場で、それぞれの特徴にあった商品を販売しています。

 売り場を増やすと手間がかかって仕方がないですが、《3》に挙げたとおり、取り扱い商品の種類を増やせば、分野も売り場も増やさず、ビジネスをステップアップできます。本だけを売るのではなく、同じ分野の周辺商品も扱うのです。たとえば、釣りに関する本を扱っている人なら、釣具を販売したり、販売しなくてもアフィリエイトを行うという手もあります。得意な分野があるなら、ビデオや冊子など、オリジナルの商品を作って販売したり、セミナーの集客をしたりと、さまざまな展開が考えられます。

 私の場合「古本を売る」という行為から、そのテーマの書籍(これもオリジナル商品ですね)を作ることができました。今回の書籍では、商品を発送する際に便利なハンコなどのさまざまなアイテムの紹介をしていますので、そういった周辺商品を自分のサイトで販売したり、アフィリエイトしたりするということも考えられるでしょう。

 また、著書の表紙にキャラクターのイラストを載せることにもこだわりました。このキャラクターは本の形をしていて、名前は「ブックン」といいます。この「ブックン」のマンガやキャラクターグッズを作ってみるなどの可能性も探ったりしています。まったく夢のような話ですが、こうしたことを考えるだけでも楽しくなってきます。


●さいごに…最初の仕入れは1冊50円でした
 私が古本の販売をはじめたのはごく最近で、2003年の10月くらいだったと思います。最初の感動は、勤務先の近く、神田神保町にある古書店のワゴンに1冊50円で売っていた映画「スター・ウォーズ」旧三部作のパンフレットを150円で3冊集めて、Yahoo!オークションで3,000円くらいで売れたときでした。

 商売としては、誰でもできることで、たいしたことはありませんが、なんともいえないうれしさがこみ上げるとともに、お宝がいっぱいの神保町が好きになりました。

 2004年2月に、はブログコンサルタントの中野先生( http://1stmarketing.cocolog-nifty.com/shuumatsu/ )にお会いして、ブログの楽しさを知り、仕入れも兼ねて、神保町の古本屋めぐりをレポートするブログを始めました。

 古本屋についていろいろと調べはじめてひと月もたたないうちに、早稲田古書店街の紹介をしている「早稲田古本ネット」運営者の横手さんに出会いました。その後も取材をしながらブログを更新していくことで、神保町のいくつかのお店の店主様や、同じネット古本屋の方々ともお知り合いになることができました。

 そしてついに6月には自身のネット古本屋「古書アンジー」を立ち上げることができ、ブログのネット古本ショップということで中野先生の雑誌連載や著書にも取り上げていただきました。ブログに関する研究を進め、8月には「早稲田古本ネット」をブログ形式にリニューアルできました。

 さらに9月には、横手さんとの書籍の企画が採用され、さまざまな方のご協力をあおぎ、なんとか12月には発売にこぎつけることができました!

 まさか1冊50円のパンフレットを売ることから、わずか1年あまりで、しかも週末起業でこんな展開になるとは思いませんでした。何事もまずはやってみるものですね。


投稿者 webby : 2005年05月12日 | トラックバック